発売から1年以上経っても人気を保ち、任天堂の不人気ハードWii Uの息を吹き返させたという最大級の評価を受けているゲーム『スプラトゥーン』。なぜそこまで評価されるのか、その人気の理由・秘密に迫る。
ヒトの形になれるイカを操ってバトルするTPS（三人称視点）の対戦アクションゲーム。FPSのようにただ殺し合うのではなく、インクがつまった「ブキ」を持ち、ステージを塗ることで陣地を広げるという、シューティング＆陣取りの要素が上手くミックスされた作品だ。
日本産のオンラインシューティングでは最高レベルとの評価を受けている。それは、子供から大人まで楽しめるという任天堂らしさと、コアなゲーマーでもやり込める戦略性、「ブキ」「ギア」などの装備の豊富さからなっている。前述のようにシューティングに陣取りのテイストを取り込んだ所も面白く、不利な形勢からでも一発逆転のような展開があるのも良い。
また、ビビッドなカラーリングのグラフィックや「イカガール」などのキャラクターデザイン、ノリの良いBGMなどがゲームの世界感にピッタリ合っていることも評価に繋がっている。実際ゲーム内のアイドル「シオカラーズ」はゲームに留まらない人気を見せている。
メインは4VS4のオンライン対戦「ナワバリバトル」。インクで塗った面積が多い方が勝ちというシンプルなルールながら奥が深い。
一人用のモードは、ゲームの舞台「ハイカラシティ」のエネルギー源「オオデンチナマズ」が消えた事件を追うオフラインのストーリーモードがある。また、Wii UGamePadとWii U PROコントローラーを使って2人対戦するオフラインモード「バトルドージョー」も搭載している。
日本風の可愛らしさとアメコミの大胆さ・ビビットカラーを融合させたのが本作のイカキャラクターのイラスト。イラストレーターやキャラデザイナーの名前は公開されてなく、公式設定で「イカ研究所の調査員」のスケッチ・イラストとなっている。
ユーザーもこぞってイラストサイトなどで描いたイラストなどを公開していて、「シオカラーズ」（アオリ・ホタル）、「イカガール」「イカボーイ」の絵はネットに溢れている状態だ。
このゲームには課金要素がほぼない。唯一課金して得られるのは、フィギュアのamiiboを購入しないと入手不可となっているアイテムだけ。また、ガチャに関しては、リアルマネーを投入してのガチャはないが、フェスやバトル勝利数の報酬でもらえる「スーパーサザエ」でギアパワーを付けるのはランダムなので、厳選したいユーザーにとってはガチャ的な楽しみになっている。
前述のように課金しないとゲームが楽しめないような要素が全くないのが『スプラトゥーン』の人気の理由の一つ。また、ゲームの出来の良さからあまり人気ゲームに恵まれなかったWii Uユーザーがこぞって飛びついたのも大きい。
ゲーム性については、本格的FPSやTPSはエイムという動く敵を狙って当てるという技術が必要になってくるが、本作は必ずしも敵を撃つ必要がなく、シューティングが下手な人でも、塗り要員として立派な戦力になるのが大きい。
TPSゲームとして画期的なのはチャットを実装していない点。オンラインバトルでは熱くなってスラングが飛び交うことは日常茶飯事だが、偉そうに指揮をとりたがる軍師もバトルの後にねちねち言う粘着も湧かないのでゲームを純粋に楽しめる。
これまで16回開催された「フェス」も『スプラトゥーン』人気を牽引していた。2択お題を出して2チームに分かれて戦うものだが、「ごはんVSパン」「赤いきつねVS緑のたぬき」「きのこの山VSたけのこの里」など、ネットを2分するような面白お題が次々と出されてユーザーの熱狂に繋がった。
以上が『スプラトゥーン』の評価と人気の理由となる。無料アプデが終わっても、全国大会が盛り上がりを見せていて、まだまだ熱が冷めない感のある『スプラトゥーン』。来年発売の「NX」に合わせて『スプラトゥーン2』発売の噂もあるが、今はこのWii U史上最高傑作を楽しみましょう。
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