小島秀夫の最新作『Death Stranding』のトレーラー公開 主役はノーマン・リーダス、テーマは死?

2015年にコナミから追われるように退社し、ゲーム制作会社「コジマプロダクション」を立ち上げた小島秀夫氏。メタルギアソリッドの生みの親であり、海外にも多数のファンを抱える彼が、ロスで開催中のゲームイベント「E3」に登場し、現在開発中のゲーム『Death Stranding』(デス・ストランディング)について情報を公開した。

再びノーマン・リーダスとコンビ!



これまでの作品と同じように、小島監督がスクリプト・プロデューサー・デザイン・ディレクター(一部兼任あり)など、作品の主要パートを務める本作品。主役に選ばれたのは、映画『処刑人』やTVドラマ『ウォーキング・デッド』で好演し、小島作品の『P.T.』にも出演したNorman Reedus(ノーマン・リーダス)。

トレーラーの始まりは詩人William Blake の「無垢の予兆」から



動画は、19世紀のイギリスの詩人William Blake(ウィリアム・ブレイク)の詩「無垢の予兆」の冒頭の4行が掲げられる。意訳すれば「一粒の砂に世界を見て、野の花に天国を見、君の手で無限をつかみ、永遠の一瞬を得る」と訳せるその一節が何を示すのか謎であるが、「無垢の予兆」は教訓詩であり、ゲームが人間の原罪を扱っているのではと予感させる。

大量のカニの死骸、赤ん坊、石油?



謎めいた開幕の動画。詩に続いては砂浜に散らばる大量のカニの死骸だ。そしてカメラは横たわるひとりの裸の男を捉える。左手には手錠がはめられ、側には機械的なコードでへそが繋がれた?赤ん坊が泣いている。赤ん坊を抱き上げてむせび泣くノーマン・リーダスだが、赤ん坊は一瞬で彼の手から消え去り、残ったのは、べっとりとした黒い石油のような液体。さらに彼の身体を這うように現れては消える黒い手の跡、そして十字に切り裂かれた手術痕?が残る彼の腹部……

テーマは死?謎の黒いコード



すでに謎だらけだが、海へと目を向けると、おびただしい数の鯨やイルカ、魚などの死骸が波打ち際に散乱している。そして、沖の上空には、人の形をした神のような5体の“なにか”が浮かんでいる。また、赤ちゃんのへそに繋がれていた黒いコードは、カニの死骸や鯨の死骸にも見られる。何かエネルギーのようなものを吸い取られているのだろうか…。

ホラーなのか史実ベースなのか

『P.T.』&ノーマン・リーダスとなると、ホラーゲームを想像するが、動画にでてくる石油と生物の大量死を結びつけると、メキシコ湾の原油流出事故が思い起こされる。ゲームは実際の事故をベースにしているのだろうか?またタイトルを直訳すると「死の座礁」となり、座礁した船からの石油流出事故ともとれる。そして、本作はPS4対応作品だが、ホラーゲームにはうってつけのVR対応とはどこにも記されていないのも、単なるホラー作品とは思えない理由の一つだ。

ただ、小出しの情報でそんな簡単に類推できるゲームを小島氏が手がけるとは思えないというのもあり、ゲームに対する想像は膨らむばかりだ。

なお、使用されている曲はアイスランドのバンドLOW ROARの「I’ll keep coming」。そのミュージックビデオでは黒タイツを被せられ、両手を後ろで縛られた男がもだえるというシュールなもので、そこでも謎の黒い液体が登場している。

小島秀夫氏が壇上で「少しだけ公開」と語ったように、多くの情報が与えられることはなかった新作『Death Stranding』。発売日や価格、対応ハードがPS4だけなのかなど、今後の情報に期待したい。

(画像は公式動画・サイトより)

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